SS1
「ラクス?」
開け放しになったカーテン。
窓からは暖かな日差しが降り注ぐ。それはいつになく眠気を誘うもので、ラクスの目蓋も、いつしか重くなっていたようだ。
「ラクス……?」
部屋にいるはずのラクスに、キラが声をかけるが、その呼びかけへの応えはなく。
返ってこない声に、不思議に思ってドアを開ければ、そこにはベッドにもたれかかり眠る彼女の姿があった。
その光景を見て、キラはくすりと笑う。
冬だというのに、太陽はこんなにも暖かい。疲れているはずの彼女が眠ってしまうのも頷ける。
とはいえ、冬であることには違いなく、このままでは風邪を引いてしまうだろう。
かけてあげられるものでもあれば。最初はそう思ったものの、こんな体勢で眠れば、体が痛くなってしまうだろう。
キラは、思いつくままに、ふわり、とラクスの体を抱き上げた。
そうして、静かにベッドの上に寝かせる。
毛布を掛けると、ラクスの表情が少しだけやわらかく、幸せそうなものになったように、キラには見えた。
いつも忙しそうにしている彼女。
考えて、行動して。彼女自身が望んだことではあるけれど、それはとても長く、つらい道だ。
今日という日くらいは、休んで欲しい。
何も考えず、ゆっくりと。
「おやすみ、ラクス」
そう掠れるほどの声で呟くと、キラはラクスの髪をなで、額に口付けた。
忙しさの中にあるそれは、何よりもの幸せを持った、一日。
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短いですー。
もちろんこの後に、キラはラクスを祝います。
久しぶりにキララクを書いて、一体何が何だか分からないという……。