お気に入りの物にかぎって すぐ壊す
お子様にも似ている
お子様的しこう
花を育てていました
とても綺麗な花びらで
水をやりすぎて 腐りました
金魚を飼っていました
とても綺麗な赤で
餌をやらなくて 死にました
僕は 昔から物をダメにするらしく
いつも誰かに叱られていた気がします
好き嫌いの
さじ加減 が どうのとか
結局 理解は出来ませんでした
今は 女のコを飼っています
とても可愛らしいコで
まだ 生きています
よく 怯えるので
がたがた 鳴っている歯が
可哀想だなと思って
止めてあげようと
僕は口を塞いであげます
手で 布で 口で 色々
それを 彼女は時々怖いと言います
乱暴だ とか言って
でも 僕は君のためにやっている
全て 何もかも
お気に召さなくても
泣きそうな彼女に
逃げたいなら刺せば
そう言うと 決まって
冷えた指の腹で
僕の前髪をすくって
「好きだから 良いの 何でも」
これで良いとばかりに
にこりと
眩しく笑うから
僕は もう
ああそうと 嫌な顔をするしかなくて
間違ってる と
言ってくれないから
このまま だらだらと
続けていくんでしょう
多分 壊れるまで
苦々しく僕が笑うと
彼女もまた おとなしく笑って
騒ぎ疲れた後は
言葉も無く 意味もなく
二人して 肩を寄せて
居眠りをするのです
かかる前髪がうっとおしいけど
ほんのり良い香りがするので
どうか明日も壊れませんように と
うっかり思ったのは
多分 今 凄く 眠たいから
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リハビリ的なアウステ(と申告しないと解らないSS)
ヴァイオレンスがネタギレしたのでピンチです
オチのない話ですが 肩を寄せて居眠りを書きたかっただけでした